【2025年~】ペットビジネス・グッズのトレンドは?2024年の発表データから予想

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この記事は2025/2月時点の最新のデータ(2024年に発表されもの)を元に作成しています。

2023年度のペットビジネスの市場規模は、前年度比104.5%の1兆8,629億円が見込まれています。

近年、ペットの飼育頭数は伸び悩んでいますが、ペットビジネスの市場予測は今後も拡大傾向です。

ペットビジネス・グッズのトレンド

※画像引用元:ペットビジネスに関する調査を実施(2024年)(株式会社矢野経済研究所)

この記事では、ペットビジネスにおける分野別の市場規模・トレンドと今後の予想(2025年〜)について解説します。

【2024年】分野別の市場規模とトレンドをおさらい

まずは2024年に発表された分野別の市場規模とトレンドについて、みていきましょう。

ここでは以下の市場について、分野別に詳説していきます。

  • ペットフード分野
  • ペットグッズ・用品分野
  • 生体・サービス分野

ペットフード分野

2023年における日本国内のペットフード市場は、4,754億円であり前年と比較して11.9%増加しています。

フードの種類別では、

  • ドッグフード…993億円(前年比110%)
  • キャットフード…1,847億円(前年比113.2%)
  • ペットオヤツ…犬猫合計で1,125億円(前年比113.3%)

といずれも拡大傾向です。

市場が拡大している要因

市場が拡大している要因としては、

  1. 原材料費や物流費の高騰による商品単価の上昇
  2. ペット飼育者の健康意識の高まり

などが挙げられます。

2022年度から2023年度の間、ペットフード業界各社は物価高騰による商品の価格改定を行いました。

商品価格の単価アップが続いたことで、2023年度のペットフード市場は二桁成長となっています。

トレンド

ペットフード分野では現在

  • ペットの健康に配慮した機能性フード
  • 国産・自然派・無添加といった安全性を意識したフード
  • 使用する食材や栄養バランスにこだわったグルメタイプのフード

がトレンドです。

ペットの家族化・長寿化に伴って、機能性や安全性を訴求した高付加価値商品やペットの症状に応じて与える療法食の需要も高まっています。

※参照元:ペットフード・用品の市場を調査(富士経済グループ)ペットビジネスに関する調査を実施(2024年)(株式会社矢野経済研究所)ペット向け「療法食」市場拡大 日本企業も存在感、獣医師が商品開発(朝日新聞)

ペットグッズ・用品分野

ペットグッズ・用品分野の市場も拡大傾向です。

2024年7月に発表されたデータによると、2023年度におけるペットグッズ・用品分野の市場規模は3,269億円(前年度比107.7%)が見込まれています。

市場拡大の要因

ペットグッズ・用品分野の市場拡大の要因は、

  • ペットに対する健康意識
  • ペットとの暮らしを充実させたい

というニーズが高まっているためです。

特に、ペット用の歯ブラシや歯磨き粉・デンタルガムといったオーラルケア・デンタルケア用品については、参入企業の啓発活動が活発であり、今後も伸長が期待されています。

また、2023年に実施された価格改定によって、室内飼育の必需品・消耗品である猫砂やトイレ用シーツも売り上げが伸長しました。

需要の変化

ただし、物価高騰に対して節約志向の飼育者も増加しており、一部では高付加価値商品から低価格商品への需要シフトも見られています。

ペットグッズ・用品分野の市場では今後、ブランド力や製品力を向上させ、商品のリピーターや継続購入者を確保することがポイントとなるでしょう。

※参照元:ペットビジネスに関する調査を実施(2024年)(株式会社矢野経済研究所)ペットフード・用品の市場を調査(富士経済グループ)

生体・サービス分野

つづいて、生体・サービス分野について解説します。

2023年における生体・サービス分野の市場規模は、前年比101.6パーセントの8,441億円の見込みです。

ここでは、生体・サービス分野の中でもトレンドとなっている

  1. ペット保険
  2. ペットホテル
  3. ペット葬儀

の3つについて触れていきます。

ペット保険

生体・サービス分野の中で現在市場が成長しているのはペット保険です。

2023年のペット保険契約件数は320.7万件(前年比108.4%)で、保険契約金額は1,339億円(前年比107.3%)でした。

ペット保険市場が拡大している理由としては、

  • 動物病院では人のような健康保険制度がなく、医療費が高額となる場合があること
  • ペットの高齢化・長寿化が進んでいること
  • 大手保険会社の参入によりペット保険の広告が増え、認知度が上昇していること

などが考えられます。

ペット保険の契約方法は主に

  1. ペットショップ
  2. 保険ショップ
  3. インターネット

の3種類ですが、2023年においてはインターネット経由の新規契約が活況を呈しました。

低価格保険の増加や補償内容の拡充といった商品力の向上、ペット保険に対する認知度の更なる向上、販売方法・チャネルの工夫を行うことで、今後もペット保険市場は拡大が期待できます。

※参照元:ペットフード・用品の市場を調査(富士経済グループ)ペット保険市場成長の可能性〜Foresight起点でPet Experience(PE)を考える〜(株式会社NTTデータ経営研究所)

ペットホテル

ペットホテルも2023年に市場が拡大したサービスのひとつです。

令和6年(2024年)全国犬猫飼育実態調査でも、ペットホテルはこれまでに利用したことがあるサービスの上位に挙がっています。

ペットホテル
ペットホテル

※画像引用元:令和6年(2024年)全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人ペットフード協会)

また、ペット飼育者がペットホテルを選ぶ際には、宿泊料金の安さよりもホテルの質を優先する飼い主が多く、ペットの過ごす環境やクチコミを重視する傾向です。

ペットホテル

※画像引用元:旅行に行く時のペットホテル選びを調査|沖縄旅行&リゾート・ホテル情報サイトがアンケート(株式会社RINK)

  • 旅行中もペットに快適に過ごしてほしいという家族意識の高まり
  • 日本国内の少子高齢化や単身世帯の増加
  • 共働き世帯の増加
  • コロナ禍が明けたことによる旅行需要の回復

などを背景として、ペットホテルは今後も成長が見込まれる市場だと言えます。

ペット葬儀

ペット保険、ペットホテルと共に、ペット葬儀の市場規模も拡大しています。

ペット葬儀

2024年に行われた調査では、現在利用していないが利用したい・使用予定のサービスとして、犬猫飼育者の4割近くがお葬式・お墓・供養と回答しました。

ペット葬儀

※画像引用元:ペットに関する調査(2024年)実態編(クロスマーケティング)

また、過去に飼っていたペットが死亡した際にどのように対応したかを聴取した結果、敷地内の土に埋めたが32%、火葬し、遺骨はペットお墓に埋葬したが23%、火葬し、遺骨は自宅において供養しているが22%と、火葬をしているケースは全体の45%にのぼりました。

  • 犬猫の長寿化により、ペットの終活を考える飼い主が増えたこと
  • ペットの家族化により、亡くなったペットを手厚く供養したいと考える飼い主が増えたこと
  • 近年はペット可マンションやアパートなど、庭がない家でペットを飼育する飼い主も多いこと(土葬が難しい)
  • 自治体での火葬の場合、立ち会いや遺骨の返却が出来ないケースがあること

などから、ペット葬儀の市場規模は今後も成長傾向が続くでしょう。

※参照元:ペット火葬は役所や保健所でもしてもらえる?(愛愛送社)ペット葬儀の未来:増加する需要と新しいビジネスモデル(Genspark)

【2025年】ペットビジネス・グッズの予想

2025年ペットビジネス・グッズの予想

※画像引用元:ペットフード・用品の市場を調査(富士経済グループ)

ペットビジネス・グッズは2025年も市場拡大が予測されています。

ペットフード・ペット用品の種類拡充や高品質・高価格商品の需要増加、さまざまなサービスの登場により、2024年度以降も小売金額(末端金額)ベースで市場は伸長するでしょう。

ただし、

  • 2024年度以降は2022〜2023年度にかけてのような大幅な商品値上げの予定はないこと
  • 犬の飼育頭数は減少傾向(2024年現在 約679万6千頭)
  • 猫の飼育頭数は微増傾向(2024年現在 約915万5千頭)

であることから、今後のペットビジネス・グッズ市場は緩やかに増加していく見込みです。

まとめ

以上、2024年発表の分野別市場規模とトレンド(〜2023年の数値)から、2025年ペットビジネス・グッズの予想について解説しました。

2024年発表の分野別市場規模とトレンドをまとめると、以下のようになります。

分野・種類市場規模トレンド
ペットフード4,754億円(前年比11.9%)成長中。高価格帯商品の増加。機能性・安全性の高いフードがトレンド。
ペットグッズ3,269億円(前年比107.7%)順調に伸び続けている。オーラルケア・デンタルケアの啓発活動が活発。高価格帯商品の増加。
ペット保険近年、大きく成長中。今後も大きく伸びることが予想される。ペットの健康志向・高寿命化・医療費の増加。
ペットホテル近年のペットブームに伴い、年々ニーズが増加。ペットの過ごす環境やクチコミを重視する傾向。
ペット葬儀近年、急速に成長中。商品・サービスも多様化してきている。家族であるペットを手厚く供養したい。飼い主の希望に応じて葬儀をカスタマイズ。
※2025年以降のペット市場における市場規模・トレンドを保証するものではありません

ペットの家族化や高寿命化を背景とした高付加商品へのニーズの高まりによって、ペットビジネス・グッズ市場は今後も拡大が期待されます。

今後ペットビジネスを考えていく上で、ペットを大切な家族の一員として、一緒に生活をしているご家庭が増えているということが重要なキーであることは間違いないでしょう。

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Toshiyuki Uwai
ペトプロ代表

獣医師免許保有。
企業動物病院の現場マネジャーを3病院で経験。
現在は、動物に関係する教育・人材・webマーケ事業などを展開中。