ペットビジネス・業界への新規参入に関心はありませんか。
「ペットのために何かしたい!」という思いがあっても、ビジネスとして成り立たないと継続することは難しいものです。
どのようにしたらペットビジネスで利益を出せるのか、一緒に検討していきましょう。
ペットビジネス・業界でも儲けるチャンスはたくさんある
ペットの需要は高く、ビジネスとして期待できる業界です。
ペットオーナー(以下、オーナー)たちは主に以下の需要を満たす商品やサービスを求めています。
- ペットの健康や幸福を追求できる商品やサービス
- オーナーの飼育負担を軽減してくれる商品やサービス
ペットのためにビジネスを始めるのが前提ですが、ペットビジネスは展開次第で大きく儲けるチャンスになるでしょう。
ペットビジネスの需要が拡大した3つの理由
ペットビジネスの需要が拡大傾向にある主な理由として次の3つがあります。
- ペットは家族の一員という意識
- ペットの高齢化
- ペット市場の規模の大きさ
ペットは家族の一員という意識
昨今ペットを家族の一員として大切に扱う傾向が進み、ペットを我が子同様にかわいがり食事やケアに気をつけるオーナーが増加中。
ペットにも、安全なオーガニック食材を使った食事や人間と同じ品質の食事を提供する考え方が普及しています。
ペットの体を綺麗に整える習慣も一般的になり、ペットをトリミングサロンに定期的に通わせシャンプーやカットをする、体に服やアクセサリーを装飾するオーナーは多いといいます。
アニコム損保が実施した「2022最新版 ペットにかける年間支出調査」によると、4割のオーナーが自分よりもペットに多額の医療・美容費をかけていると回答しました。
そのほか、ペットと一緒に食事をしたり旅行や外出を楽しむ体験も広がりを見せています。
ペットの高齢化
近年ペットの高齢化が進み、「2022年(令和4年)全国犬猫飼育実態調査」によると犬の平均寿命は14.76歳で猫の平均寿命は15.62歳です。
2010年以降犬の寿命は0.89歳伸び、猫の寿命は1.26歳伸びています。
ペットの高齢化にともなって需要が高まっているものは、高齢ペットが食べやすい栄養バランスの優れたペットフード、関節の健康維持などを謳ったサプリメント、ケアグッズ、整体などです。
介護や医療が必要な期間や回数も増加し、医療にかかる費用が高額化するためペット保険のニーズも高まっています。
ペットが亡くなった後の葬儀イベント、グリーフケアなどの需要も増加しています。
今後のペットビジネスは、ペットの高齢化社会とともに進化していくでしょう。
※参考元: 2022年(令和4年)全国犬猫飼育実態調査 結果(一般社団法人 ペットフード協会)、「ペットフード・用品業界 市場規模・動向や企業情報(NIKKEI COMPASS 日本経済新聞)
ペット市場の規模の大きさ
2022年の犬・猫のペット数は全国で約1,589万頭とされ、同年の15歳未満の子どもの数の1,465万人より多く、ペット市場の大きさがわかります。
I-1 こどもの数は1465万人、41年連続の減少
I-2 こどもの割合は11.7%、48年連続の低下
※引用元:「我が国のこどもの数 -「こどもの日」にちなんで- (「人口推計」から)」総務省統計局
コロナ禍の影響でペットを飼い始めた人も増えました。
アイドラッグストアーによる「コロナ禍で高まるペット需要」の調査によると、オーナーの17.0%はコロナ禍がきっかけとしてペットを飼い始めたり、飼育頭数を増やしました。
※参考元:アイドラッグストアー「コロナ禍で高まるペット需要」
家計のペット関連の支出額も拡大傾向にあり、ペット・ペット用品、ペットフードへの支出額は近年ともに上昇傾向です。
コロナ後の今は多忙が戻ったオーナーが家を不在にする機会も増加し、散歩代行サービスやペットホテルやシッターサービスのニーズも高まっています。
※参考元:「ペット産業の動向-コロナ禍でも堅調なペット関連産業-」経済産業省
ペットビジネスで儲けるために絶対に抑えておきたいポイントは「利益率」
ペットビジネスの需要は高くビジネスとして期待できる業界ではありますが、ペットビジネスが必ず儲かるというわけではありません。
ペットビジネスをはじめビジネスで儲けるためには、利益率を高めることがポイントです。
利益率とは
利益率とは売上げに占める利益の割合であり、儲け(=利益)とは、売上高から経費を差し引いた残りです。
経費とは原材料費、設備費、人件費、光熱費、広告宣伝費などビジネスにかかわるすべての出費を指します。
経費を最小限化して利益を増やすことが、儲けにつながります。
いくら売上げが上がってもそれ以上に経費がかかればもちろん赤字であり、ビジネスは継続できません。
どのビジネスの基本にもなりますが、売上高を追求するのではなく利益率をあげるという考え方がペットビジネスでも欠かせません。
利益率を上げるためには
利益率をあげるためには、経営の中で「コスト管理の徹底」「付加価値の提供」「効果的なマーケティングの展開」「リピーターの定着」に気をつけることがポイントです。
利益率を上げるポイント | 心がける内容 |
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コスト管理の徹底 | 原材料費、設備費、光熱費、人件費、広告宣伝費などかかる経費の内訳を定期的に点検し、無駄なコストカットに努めることが重要です。 |
付加価値の提供 | 付加価値の提供として、獣医師や栄養士といった専門家による助言や相談受付、オプションサービスの充実などが考えられます。 競合との価格競争に巻き込まれることなく、適切な価格での提供が維持でき、利益率向上につながります。 |
効果的なマーケティング戦略 | ビジネスのターゲット層を明確に定め、ターゲット層に適切な形でマーケティングを展開しましょう。 効果的なプロモーションや広告によって、顧客を新規開拓する手間やコストを最小化し、利益率を上げられます。 |
リピーターの定着 | リピーターが増えると、売上げが安定し、新規開拓にかける広告宣伝費や人件費が削減可能になり、利益率があがります。 会員制度や特典・割引の導入などでリピーター獲得に努め、信頼できる商品・サービス提供の継続によリピーターの定着につなげましょう。 |
【利益率高】儲かるペットビジネス4選
ペットビジネスに参入するのであればどのようなペットビジネスがよいのでしょうか。
工夫次第で利益率を上げられる儲かるペットビジネスを4選を紹介します。
1.高品質のペットフードの開発・提供・配送
高品質なペットフードの需要は高くあり、オーナーはペットを家族の一員と考え安心して与えられる健康に良いものにコストをかける意思があります。
オーガニック食材や生産者や生産地がわかる透明性の高い食材を使ったり、栄養素の豊富なペットフードを開発・提供すると注目されるでしょう。
サブスクリプション(以下、サブスク)型のフード配送サービスも利益率を上げるために有効な手段で、一定期間ごとに配送されるシステムは日々忙しいオーナーから需要があります。
仕入れの最適化、コスト管理の徹底、効果的なプロモーションなどのあらゆる工程のコストカットに努めることで利益率を上げられます。
2.ペット関連のテクノロジー開発
ペット関連のテクノロジー開発にも注目であり、特にペットの健康や幸福をめざすためのものやペットとオーナーのコミュニケーションを深めるためのもの、オーナーの飼育負担を軽減するためのものに需要があります。
病気の早期発見を可能にするために泌尿器疾患にかかりやすい猫の尿をチェックする猫トイレ、外出先からペットの様子を確認できる見守りカメラ、オーナーの飼育負担を軽減する自動給餌器などが人気です。
ペットとオーナーの生活の豊かさを上げるテクノロジーは需要が高いジャンルといえます。
開発費用はかかりますが、需要の高い分野でヒット商品を出せると利益率も期待できます。
3.ペットの運動機会の創出サービス(フィットネス・散歩代行)
ペットの運動機会をオーナーにかわり創出するサービスの需要も高いです。
ペットの運動不足は筋力の低下や肥満の原因、けがや病気のリスクを高めてしまいます。
ペットの定期的な運動は重要で、ペットに合う運動プログラムでペットの健康促進を促すフィットネスプログラムや、犬の散歩代行サービスが注目されています。
ニューヨークで犬の散歩代行サービスを展開する「Swifto(スイフト)」は、サービス開始から1年で毎月20%のペースで売上げが上昇中です。
※参考元:「NY発・犬の散歩代行サービスSwiftoに見る富裕層特化型サービスの成功例 」ダイヤモンド・オンライン
ニューヨークは高収入で多忙なビジネスマンが多く、信頼できる業者であればコストをかけてもサービスを頼みたいという需要が高いエリアです。
地域性とマッチし、需要をうまく汲んだビジネスは成功しやすいと言えるでしょう。
ビジネス展開には、オーナーから信頼を得られる優秀な人材を採用できるかもポイントのひとつです。
人件費はコストの中でも費用がかかる固定費ではありますが、優秀な人材が長く勤めることが長期的には人件費の最適化、ひいては利益率の向上にもつながります。
4.ペットジャンルのオンライン展開
ペットに関する情報やエンターテイメントはオーナーや動物好きな人たちから人気を得ており、オンラインによる発信が気軽に楽しめ今の時代に合っています。
ペットに関するYouTubeチャンネルの開設で広告収入を得たり、ブログ運営によるアフィリエイトで収益を得るビジネスがあります。
ペットに興味はあるけれど飼育をためらう原因として、犬の場合「仕事をしていても十分に世話ができるか」、猫の場合「家や家具をボロボロにされないか」という不安を抱えている人も多いよう。
不安を解消する具体的な手立てやアドバイスを発信することで、生体や飼育グッズの購入につながります。
その他、オンラインイベントの開催やオンラインコミュニティの運営で参加費収入を得る方法もあります。
オンラインビジネスは店舗を持つ必要がなく賃料や人件費を浮かせやすいため収益の高いジャンルのため、利益率は工夫次第で非常に高くなるでしょう。
※参考元: 「2022年(令和4年)全国犬猫飼育実態調査 結果」一般社団法人 ペットフード協会
需要と時代のニーズを汲んだペットビジネス展開が儲かる鍵
ペットビジネスは急速に発展している分野であり、多くのビジネスチャンスが広がっています。
市場の需要や時代のニーズを汲みながら、利益率を確保できるよう適切な戦略を練ることが成功の鍵です。
また、健康や安全に配慮した高品質の商品やサービスを誠実に提供し、顧客から信頼されリピート利用してもらうことも重要なポイントの一つ。
ペットビジネスは単なるビジネスでなく、ペットとオーナーの豊かな生活を築くお手伝いでもあります。
ペットの健康や幸福を最優先に考え、倫理的な観点に立ち、適切な知識と情熱を持ってペットビジネスに挑みましょう。