ペットの家族化や健康意識の向上により、犬・猫の寿命は年々延びています。
- 犬の平均寿命…14.62歳(2010年比 +0.75歳)
- 猫の平均寿命…15.79歳(2010年比 +1.43歳)
※参考元:令和5年全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人ペットフード協会)
筆者が動物病院に勤めていた際にも、シニア期の犬や猫が日々来院しており、私達獣医師や動物病院スタッフが来院したペットの年齢に驚く機会も多くありました。
しかしその一方で、予防出来る病気や怪我で来院するペットも一定数いた印象です。
そこでこの記事では、ペットがより健康で元気に過ごせるよう子猫・子犬時期のペットにできる生活向上のためのコツやポイントを獣医師目線でご紹介します。
子猫・子犬の時期に出来ること
- ボディタッチの習慣をつける
- 食事の管理
- 誤食に気をつける
1.食事の管理
成長期の子猫や子犬にとって、食事の管理は重要です。
成長期に適切な栄養が摂取できない場合には、以下のようなリスクがあります。
食事 | 弊害 |
---|---|
成犬用のフードを与えた場合 | エネルギー不足。 より多くの得ようと絶えず食べ続けるため、後年、急性胃拡張・胃捻転のリスクが高まる。 |
ミネラル過剰 | 特定のミネラルが多くなると、他のミネラルの吸収が悪くなる。 発育不良、皮膚疾患、精巣萎縮、免疫抑制、甲状腺機能低下症、骨疾患がみられることがある。 |
必須アミノ酸の不足 | 発育が遅れ、免疫機能が低下する。 被毛も劣悪となり、筋肉の発達も悪くなる。 |
栄養の過不足による体調不良を避けるために、ペットの主食には総合栄養食を使用しましょう。
総合栄養食とは、指定された成長段階においてペットフードと水だけで健康を維持できるよう、栄養バランスを設定したペットフードのことです。
※参考元:ペットフードの種類(一般社団法人ペットフード協会)
子猫・子犬の時期には、成長のため身体に必要なエネルギー量も多いため、子猫用・小犬用・全成長段階用の総合栄養食を与えてください。
2.誤食に気をつける
子猫・子犬は好奇心が旺盛で、様々なものに興味を持ちます。
遊んでいるうちにオモチャを飲み込んでしまったり、ゴミ箱やテーブルの上にあるものをイタズラしてしまうケースも多いため注意が必要です。
ペットにオモチャを与える際には、大きさは問題ないか、破損箇所や外れてしまいそうなパーツがないかを毎回確認しましょう。
また、以下のものは子猫・子犬の届かない場所に置くなど、生活環境を整えておきます。
- ストッキング、靴下、ひも、糸
- 竹串、とうもろこしの芯、果物の種
- 観葉植物の中毒(ユリ、チューリップの球根、ポインセチア、アサガオの種子など)
人間にとっては問題がないものでも、子猫・子犬にとっては治療や手術が必要となるケースや場合によっては命に関わることもあります。
誤食で動物病院に来院する子猫・子犬はとても多いです。
日頃から生活環境には気を配り、誤食トラブルを未然に防止しましょう。
3.ボディタッチの習慣をつける
子猫・子犬の時期には、ボディタッチの習慣づけも大切です。
2023年に行われたアンケート調査では、ペットとの関係を深めるために実践されていることは何ですか?という質問に対する回答第一位は、撫でる・触るでした。
※画像引用元:【動物とのコミュニケーションに関する調査】ペットとの関係を深めるために実践していることとは?(日本生活環境支援協会)
ペットの月齢の小さいうちから身体の色々な部分を触ったり撫でたりすることは、ペットに愛情を伝え、家族としての絆を育むことに繋がります。
また、ペットとコミュニケーションをとる際には、以下の部分を触る習慣をつけることがお勧めです。
- 耳
- 足先
- 口周り
- お腹
上記の部位は慣れていないと触られるのを嫌がるペットも多いのですが、ボディタッチの習慣をつけておくことで、耳掃除や爪切り・歯磨き・皮膚のチェックに役立ちます。
ペットとのコミュニケーションや健康維持のためにも、子猫・子犬のボディタッチの習慣づけは大切なポイントです。
まとめ
以上、子猫・子犬時期のペットにできる生活向上のためのコツとポイントについて解説しました。
既にご存知だったり、対応済みの情報もあるかもしれませんが、ペットの健康な暮らしのために少しでも参考にしていただけると嬉しいです。
この記事を書いた獣医師▼