今回はイヌ用のトイレ開発についてご紹介します。
今やペットの部屋飼いが当たり前。
毎日外にお散歩に行くとしても家の中のトイレは重要なアイテムです。
イヌ用トイレ開発の流れ
最初にイヌ用トイレの開発の主な流れについてご説明します。
リサーチ
製品を開発するにあたってまず行うべきことは、どのような製品が既に市場に出回っているかリサーチをかけることです。
イヌ用トイレの場合、
- 消臭効果に優れている
- 掃除がしやすい
- 見栄えがよい
といった製品は飼い主に選ばれます。
競合相手が大手企業の場合、個人開発で成功するにはニーズを掘り返すことが重要になります。
自分の開発アイディアを大事にしつつも、市場調査はしっかり行いましょう。
機能を決める
リサーチを終えたら、製品開発にあたってどのような機能にこだわるかを考えます。
既に売られているものと全く同じものを売っても、差別化できず競争になってしまいます。
例えば
- 今まで他社が使ったことのない素材を導入してみる
- 掃除頻度を減らせるような構造的な工夫をする
- 消臭機能を向上させる
など、オリジナリティを強調できると良いでしょう。
デザイン性や大きさを決める
いよいよ本格的にデザイン、大きさを決定します。
イヌ用トイレは主に3つの形状が存在します。
種類 | 特徴 | メリット | デメリット | 参考 |
---|---|---|---|---|
1.フラットタイプ | 仕切りがなく、段差も少ない | 出入りがしやすいので仔犬や老犬も使える 手入れがしやすい | 飛び散ったり、はみ出したりする恐れがある | https://www.richell-shop.jp/c/pet/156144 |
2.壁付タイプ | 入口以外の三方に壁が付いている | 飛び散る心配が少ない 壁があることで安心して用を足せる | やや掃除しにくい | https://www.richell-shop.jp/c/pet/156000 |
3.L字タイプ | 壁と床にL字に設置する | 大型犬や脚をあげて用を足すペットに使える 壁を汚さない | 見た目が気になる場合も | https://www.richell-shop.jp/c/pet/059134 |
このように各タイプによってメリット・デメリットが存在します。
そのため大型犬か、仔犬か、老犬か、ターゲット層を明確にする必要があります。
ターゲット層によって製品の大きさも変わってくるので適切な大きさであるかも注意しましょう。
製造仕入れ・OEM
自社工場を持っている場合、デザインと大きさが決定したら試作のため製造仕入れを行い試作をします。
しかし個人で開発を行う場合は、OEMを行う会社に発注する方がコスト面で優れているでしょう。
※OEMとは…他社のブランド製品を委託製造する仕組みを指します。
OEMの会社の中には少ないロットから注文を受け付けてくれるところもあったり、さらに開発の段階から相談に乗ってくれる会社もあります。
このような会社は歴代のデータをもとに専門的な助言を提供してくれるため、個人開発を行う場合は積極的に利用しましょう。
販売方法を決める
製品構想がカタチになったら、販売方法についても検討します。
店舗販売か、ネット販売かそれぞれにメリットデメリットがあります。
販売方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
店舗販売 | 顧客の顔が見える 接客によりブランドをアピールしやすい ついで買いがしやすい | 場所代等の維持費がかかる 接客が必要なので時間的拘束がある |
ネット販売 | 初期投資が少なく、すぐ始められる 場所にとらわれずに顧客層を拡大できる。 | 顧客の反応が分かりにくい |
コスト面を念頭に置くか、顧客との対面関係を重視するかによって販売方法は変化します。
また、製品をペット用品の卸売会社に納入する場合は、各会社の特徴をきちんと把握しましょう。
物流の速さに定評があるのか、卸売の他にも事業を展開しているのでそこも販路に利用できそうなのかなどが挙げられます。
テスト・オープン
販売開始前にテスト販売を行います。
ネットでの場合は決済システムにや表記に異常がないか確認しましょう。
異常が見つからなければいよいよ販売開始です。
イヌ用トイレ開発に必要なこと
ここまでイヌ用トイレの会社の流れについて説明してきました。
次にイヌ用トイレ開発に必要なことをご紹介します。
イヌのトイレトラブルに対処
飼い主がどのようなトイレトラブルを抱えているか知ることは開発のヒントになります。
イヌのトイレトラブルには以下のようなものが挙げられます。
- トイレシートからはみ出してしまう
- トイレシートを破いてしまう
- ニオイが気になる
- トイレシートの使い方が勿体ない(少ししか汚れない)
ではこれらをヒントにどのようなアイディアが浮かぶでしょうか。以下に一例を示します。
- トイレシートからはみ出してしまう→トイレの形状を円形にしてみる
- トイレシートを破いてしまう→破けにくい素材にする、繊維の方向を工夫する
- ニオイが気になる→抗菌・消臭機能を強化する
- トイレシートの使い方が勿体ない(少ししか汚れない)→切り取り線を入れることで、未使用範囲を次に利用できるようにする
価格の検討
開発の上で販売価格を検討することは重要です。
まずは平均的な販売価格を調べましょう。
飼い主がそれを安いと思っているのか、高いと思っているのか掴めると良いです。
価格を上げすぎると客層が定着しにくいですが、逆に安すぎても自社製品のコンセプトを反映できない、利率が低すぎるといったデメリットがあります。
例えば1000円を980円にすることでお得な印象を与えるなど、見せ方にも工夫のし甲斐があるでしょう。
捨て方をどうするか
ペットトイレの廃棄はやや面倒なものです。
捨てやすいペットトイレ、トイレに流しても差し支えない素材は支持を得やすいでしょう。
ただし自治体によって若干の分別の違いがありますので、統一規格を作るのは難しいかもしれません。
※参考元:ペットトイレはどう処分すればいいの?正しい処分方法(出張回収センター)
注意点
最後のイヌ用トイレ開発における注意点をお伝えします。
安全性(口に入っても大丈夫か)
先ほどペットシートを破ってしまうというトラブルをご紹介しましたが、飼い主としては万が一口に入ったとしても大丈夫か気になるところです。
安全な素材であると明記することで飼い主の不安を軽減することができます。
衛生面の確保
トイレの衛生管理が悪いと雑菌が繁殖して炎症を起こす恐れがあります。
定期的な掃除は当然ですが、製品に抗菌作用を施す工夫のほか、付属品として殺菌スプレーを売るなどが考えられます。
ただし、ヒトで使える物質をそのままペット用品に当てはめるのは危険です。
まとめ
以上イヌ用トイレの開発の流れ、必要なこと、注意点についてご紹介しました。
ペトプロには獣医師が在籍しており、専門的な知見からアドバイスを行うことが可能です。
ペット用品の開発の興味がある方、話だけでも聞いてみたいという方はお気軽にお問い合わせください。