【ドッグフード開発をお考えの方】開発の流れと注意点

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このページではドッグフードがどのように開発され、また開発の際にはどのようなことに留意しているのかについて紹介していきます。

ドッグフード開発の流れ

まずはドッグフード開発の流れについて説明します。

成分決定

最初にドッグフードに含める栄養素を決定しましょう。

ドッグフードは幼犬用、成犬用、老犬用と年齢に応じたものがあり、どの層の犬をターゲットにするかによって含める栄養素やカロリーも変わってきます。

ターゲットにする犬に応じて、栄養素を決めていきましょう。 

臨床試験

含める栄養素を決定したら臨床試験に移ります。

材料や素材の組み合わせから試作し、実際にそれを動物に食べさせてデータをとり改良を加えることを繰り返します。注目するべきデータとしては消化試験、エネルギー代謝試験、嗜好性実験が挙げられます。

消化試験は摂取した栄養素の内どのくらいの割合でその栄養素が体内に残るのかを測定するものです。エネルギー代謝試験では動物のからだにおけるエネルギー収支やエネルギーにの利用のされ方を調べ、それをもとにどれくらいのカロリーを与えるべきか計算します。

もしこの試験を行わないと栄養素的には優れていたろとしても、エネルギー過多あるいは不足で肥満削痩といった問題が生じる可能性があります。嗜好性実験ではどのような味や匂いが動物に好まれるのか調べます。

また人と違い動物は意見を述べることはできないので、一般には採食量や採食行動から嗜好を判断しています。

※参考元:ペット栄養学会誌,24(2),2021 (jst.go.jp)

工場・材料の手配

どのようなペットフードを開発するべきか必要な情報が集まったら、次にするべきは材料・工場の手配です。

材料を運ぶコストや保管する費用も考慮する必要があります。

各業者(工場)には「有機JAS認定工場」や「食肉卸の強みを持っている」「委託すれば原材料の手配から梱包まで一括で行う」など様々な売りがありますのできちんと確認しましょう。

有機JASとは…

生物や自然環境にできるだけ負荷を与えない食べ物、具体的には化学合成された農薬や肥料、組み換え遺伝子に由来する農業資材などを使わずに作られた農産物や、それらを原材料として作られた加工食品について、その作りかたや小分け・輸入のシステムが確かなものであることを法律に基づいて証明するのが有機JAS制度です。

引用元:有機JASについて(NPO法人 有機農業認証協会)有機JAS制度について

安全性をアピールすることで顧客からの信頼を獲得することができることはもちろん、加工に特別な技術、製法を用いていることも大きな売りになります。

ドッグフード開発に必要なこと

次はドッグフード開発に必要なことについて説明します。

犬(イヌ)に必要な栄養素を知る

ドッグフードの開発を行う上で、犬に必要な栄養素を知っていることが大前提です。

ヒトとイヌ、イヌの中でも成長段階ごとで比較してみましょう。

ひと昔前だと、イヌには残飯を与えることも珍しくありませんでした。イヌはヒトと共同生活をしていく中で雑食化が進みましたが、それでも人間よりタンパク質が必要です。
※参考元:3.pdf (env.go.jp)

また成長期の子犬は成長に見合ったエネルギー量を摂取することが重要ですし、老犬は消化する力や足腰の機能が弱ってきているため、それをサポートするべく、脂肪を減らして胃腸の負担を少なくする、抗酸化成分であるビタミンEや関節の維持に関わるグルコサミンを加える等、工夫を行うと良いでしょう。

ペットフード安全法(必要な検査等)を理解する

ペットフードに関する法律として「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)(平成21年6月1日施行)」 をご存じでしょうか。

※愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)環境省

この法律ではペットフードの原材料(成分規格や添加物、ジビエのペットフードへの使用について等)や製造方法の基準を定めています。ペットフード安全法では問題が発生した際製品や原因を速やかに特定し、ペットの健康被害を未然に防止するため、「名称」「賞味期限」「原材料名」「原産国名」「事業者名 事業者住所」の5つの項目について必ず表示するよう義務付けています。

「名称」についてはただ単に「ペットフード」「ペットスナック」と記載することは誤解を招くおそれがあるため、犬用か猫用かまで表示する必要があります。

更に企業は製造や輸出に関する届出や帳簿を備え付け、必要に応じて立ち入り検査に応じる義務があります。またこの法律において愛がん動物は犬と猫を指し、エキゾチックアニマルは含まれていないことも忘れてはいけません。

最近は食品衛生検査を代行する企業もあります。万が一クレームが入った時には迅速に対応できるようこのような業者のことも把握しておくと良いでしょう。
※参考元:食品衛生検査 – 食品分析 | ビューローベリタスエフイーエーシー株式会社 (bv-foodtesting.jp)

最近人気のドッグフードを知る

ドッグフードを開発するにあたって栄養学的観点、安全性はもちろん大事ですが、ビジネスを行う以上、市場のニーズを調査することもとても大事です。

最近人気のドッグフードはどのような特徴がみられるのでしょうか。

まず、原材料添加物には高い関心が伺えます。「無添加」や「ヒューマングレード」といった健康や安全性に配慮した製品が人気になってきています。

また成分のみならず、ドッグフードへの「食いつき」も重要なポイント。健康に良いドッグフードであっても、あまり食が進まないようでは本末転倒です。飼い主の中には「毎日よく食べてくれることが何より」と感じている方が一定数おり、風味や形状を工夫して食いつきのいいドッグフードをつくることも重要です。

※参考元:ドッグフード選びの基準に変化が!?市場傾向と人気フードのトレンドを徹底調査【飼い主453人アンケート】 | プレスリリース | 株式会社 共同通信社 (kyodo.co.jp)

ドッグフード開発の注意点

最後にドッグフード開発の注意点についてご紹介します。

製造過程で注意するべきこと

製造過程で注意するべきことを以下のような例が挙げられます。

  • 油脂の酸化
  • 生肉使用や加熱不足による食中毒
  • タンパク質の腐敗

ペットフードに含まれる油脂が酸化されることで、嗜好性が落ちたり、最悪の場合下痢といった症状につながるケースが報告されています。油脂の酸化の他、加熱不十分や腐敗による食中毒も発生しうるものです。
※参考元:ペット栄養学会誌 Vol.20 No.2 October 2017 (jst.go.jp)

また上記で紹介したようにドッグフードはペットフード安全法のもとにあるため、法律に準拠することを忘れてはいけません。

個人で作れる?専門家の意見、監修は必要?

ドッグフードを開発するのに、獣医師や栄養管理士等の特定の資格は必要ありません

しかし、獣医師や研究機関等の監修を受けた方が製品の価値や信頼性は高まります。

ペットフード業界の専門には獣医師やペット栄養管理士、ペットフード販売士、ペット食育士が挙げられます。

また、獣医学部(科)の他に農学部畜産学科栄養学科でもペットフード開発にあたって必要な栄養学を学ぶことができます。このような専門家に監修を依頼すると多少開発費用がかさみますが、既に市場で出回っているペットフードはその多くが獣医師の監修を受けているものであり、安全志向が高まる今日の状況を考えると、専門家の監修を入れることは珍しいことではなく、スタンダードであると言えます。

わんちゃんがドッグフードを適切に食べるために

せっかく良いドッグフードを開発したとしても、適切に摂取してもらえなければ思った通りの効果は見込めません。開発する側としてもドッグフードの適切な摂取ついて理解を深めておく必要があります。

適切な摂取に向けての注意点として、以下のようなものが挙げられます。

  • 総合栄養基準の逸脱
  • サプリメントやおやつによる過剰症や欠乏症

また、トリプトファンやメチオニン、タウリンといった栄養基準から逸脱しやすい物質があることを理解しておかないと、そのペットフードを食べ続けた結果欠乏症になることもあります。

更に近年はペットにもサプリやおやつを与えることが増え、カロリー過多、塩分過多になる例が増えてきています。

従ってペット用おやつとしてのフードを開発するならば、塩分量やカロリーを調節する等工夫をしましょう。
※参考元:ペット栄養学会誌 Vol.20 No.2 October 2017 (jst.go.jp)

子犬の成長期には成長に見合ったエネルギーが摂取できるよう高カロリーなフードを与えますが、成長期が終わってからもそのようなフードを与え続けていると、カロリー過多にもなってしまいます。

成長段階に応じたドッグフードを与えること、ひいては開発したドッグフードはどの年齢層のイヌをターゲットにしているのか明示することはとても大切です。

まとめ

今回はドッグフード開発についての流れや必要なこと、注意点について紹介しました。

ペトプロには獣医師が在籍しており、ドッグフード開発をはじめ、各種のペットビジネスに挑戦するお客様のサポートを行っております。

ドッグフードの開発に興味があるが何から行ったらよいのかわからない、話だけでも聞いてみたいとお考えの方は是非ご連絡ください。

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Toshiyuki Uwai
ペトプロ代表

獣医師免許保有。
企業動物病院の現場マネジャーを3病院で経験。
現在は、動物に関係する教育・人材・webマーケ事業などを展開中。