この記事は2025/2月時点の最新のデータ(2024年に発表されもの)を元に作成しています。
2024年全国犬猫飼育実態調査によると、ペット1頭あたりの生涯にかかる必要経費は
- 犬(平均寿命14.90歳)…2,711,875円
- 猫(平均寿命15.92歳)…1,606,097円
という結果でした。
2023年と比べると、犬では265,807円、猫では107,369円増加しています。
※参照元:令和6年(2024年)全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人ペットフード協会)
実際、飼い主は1年間あたりどのくらいのお金をペットのために使っているのでしょうか。
この記事では、飼い主がペットにかけるお金と内容・今後の支出の予想について解説します。
【2024年発表】飼い主がペットにかけるお金・内容
まずは2024年に発表された飼い主がペットにかけるお金・内容についてみていきましょう。
ここでは、
- 直近1年間におけるペット関連支出の合計
- ペットにかけるお金の内容
について犬と猫の動物種別に解説します。
直近1年間におけるペット関連支出の合計は?
直近1年間におけるペット関連支出は、前年と比べて犬・猫の飼育者ともに増加傾向です。
実際に「前年と比べて支出がどうなったか」というアンケートでは、4割以上の飼い主が前年より増えたと回答しています。
2023年のペット関連支出が増えたと感じている飼い主は前年と比べて10%以上増加しており、特に犬飼育者で増加傾向であることが分かりました。
犬飼育者の支出総額
2023年度における犬飼育者の直近1年間の支出総額は
- 5万円未満…13.2%
- 5万円以上〜10万円未満…29.4%
- 10万円以上〜20万円未満…32.6%
- 20万円以上〜30万円未満…10.6%
- 30万円以上〜50万円未満…9.6%
- 50万円以上〜100万円未満…3.8%
で、10万円以上〜20万円未満(32.6%)が最も高い割合となりました。
2022年に行われた同調査と比べると、10万円以上~20万円未満の割合は4.0ポイント増加しており、10万円以上の割合が全体の約6割を占めました。
2023年における犬飼育者の支出総額は、前年に比べて増加傾向となっています。
猫飼育者の支出総額
猫飼育者の直近1年間(2023年度)の支出総額は
- 5万円未満…28.2%
- 5万円以上〜10万円未満…38.0%
- 10万円以上〜20万円未満…21.0%
- 20万円以上〜30万円未満…7.4%
- 30万円以上〜50万円未満…3.8%
- 50万円以上〜100万円未満…1.0%
で、5万円以上〜10万円未満(38.0%)が最も高い割合となりました。
猫の場合も、2022年に比べて年間10万円以上使う飼い主の割合が増えており、ペットにかけるお金は全体的に増加傾向です。
ペットにかけるお金の内容とは?
ペットにかけるお金の内容は、犬・猫ともに獣医療にかかる医療費が最も多い結果です。
2023年1年間あたりのペット医療費の合計支出に関する調査では、年間10万円以上を使用する飼い主の割合は13.3%で、2022年における6.6%からほぼ倍増しています。
また、ペットの関連支出についてどのように考えているかという質問には、ペットの治療費・予防的支出であれば増加しても良いという回答が上位を占めていました。
上位2位〜4位には、
- ペットに必要なら医療費であれば増加してもよい(治療のための支出)
- ペットの健康を維持・増進するためであれば増加してもよい(予防的支出)
- ペットと一緒に楽しむための支出であれば、増加してもよい
という回答が並んでいます。
この結果には、家族であるペットには出来る限り健康で長生きして欲しいという、ペット飼育者の想いが表れていると感じますね。
犬飼育者の支出内訳
令和6年(2024年)全国犬猫飼育実態調査によると、1ヶ月あたりの犬飼育者の支出内訳は以下の通りです。
支出内訳 | 1ヶ月あたりの支出平均額 |
---|---|
ドッグフード | 3,900円 |
犬用おやつ | 1,771円 |
犬用おもちゃ・衣類 | 1,292円 |
犬用の雑貨 | 1,592円 |
獣医にかかる医療費 | 4,894円 |
トリミングなどのケア | 4,305円 |
犬の保険 | 3,114円 |
獣医にかかる医療費が4,894円と最も多く、2位はトリミングなどのケア代4,305円、3位はドッグフード代の3,900円でした。
アイペット損保による調査においても、犬飼育者における支出額増加理由のトップには病気やケガの診療費(62.1%)が挙げられています。
- ペットの高齢化・長寿化が進んでいること
- 家族であるペットに対する高度医療のニーズが高まっていること
- 動物病院では人のような健康保険制度がなく、医療費が高額となる場合があること
- 予防接種や予防薬・健康診断など、ペットに対する予防医療を行う飼い主が増えていること
などから、獣医にかかる医療費は今後も支出の大きな割合を占める見通しです。
※参照元:犬・猫の飼い主127人に聞いた!自分よりペット優先!?76.4%が健康診断を実施。ペットドッグに関するアンケートを実施(イオンペット)
猫飼育者の支出内訳
猫飼育者の1ヶ月あたりの支出内訳は以下の通りです。
支出内訳 | 1ヶ月あたりの支出平均額 |
---|---|
キャットフード | 3,238円 |
猫用おやつ | 1,515円 |
猫用おもちゃ・衣類 | 840円 |
猫用の雑貨 | 1,544円 |
獣医にかかる医療費 | 3,494円 |
猫の保険 | 2,690円 |
猫でも犬と同様、獣医にかかる医療費3,494円が最も多い結果となりました。
つづいて、2位はキャットフード代3,238円、3位は猫の保険代2,690円が占めています。
犬と比較すると、猫は自分で毛繕いを行い、シャンプーや毛のカットが必要となる機会も一般的には少ないため、このような結果になったと考えられます。
しかし、
- 長毛の猫種の人気が高まっていること
- ペットの家族化により、猫に対する健康・美容意識が高まっていること
- 猫の高寿命化と共に、シニア猫では毛繕いや爪研ぎなどを自身で行うのが難しいケースもあること
などから、近年は猫のトリミング需要も増加傾向であり、今後支出額の順位が変わっていく可能性もありそうです。
2025年~ペット関連支出の予想
この記事では、飼い主がペットにかけるお金と内容・今後の支出の予想について解説しました。
ペットの家族化や高寿命化を背景として、2025年以降もペットにかけるお金(支出)は増加していくでしょう。
支出増加の要因としては、
- 家族であるペットとの暮らしを充実させたいと考える飼い主が増えていること
- ペットの長寿化や獣医療の進歩により、ペットの医療費が増加していること
- 物価高騰による価格改訂でペット用品の商品単価が上がっていること
などです。
また近年、
- 猫専門トリミングの需要が増加していること
- コロナ禍が明けたことによるペットと旅行したいと考える飼い主が増えていること
- 近年ペット火葬の市場規模が大きく伸びていること
などから、飼い主がペットにかけるお金の内容は今後どんどん多様化していくでしょう。