ペットサプリメントは、動物にとっても人間と同じように毎日の食事だけでは十分にとることができないビタミンやミネラル、各種機能性成分を補うための栄養補助食品です。
ペット向けのサプリメントを製造・販売する際に、獣医師や動物看護師、大学といった専門家から商品の確認やアドバイスを受けることで、商品の権威性が上がります。
また、ペットサプリの監修はブランドイメージや商品価値の向上に繋げることも可能です。
この記事では、ペットサプリに監修をつける理由とメリット、監修の際の注意点や流れについて解説します。
近年、ペットの健康維持を目的としてサプリを与えているケースが増加
※参照元:人間よりも犬のサプリメント利用率が高い⁉︎約45%の飼い主が愛犬にサプリを与えていると回答(PR TIMES)
元々、主に栄養不足を補うために使用されてきたペットサプリメントですが、近年はペットの健康維持を目的として与えるケースも増加しています。
実際に2023年に行われた犬の飼い主に対するアンケートでは、愛犬にサプリメントを与え始めた理由・きっかけの80%以上が予防という回答でした。
・気になる病気や症状はないが予防のために自主的に与え始めた…40.0%
・気になる病気や症状があり予防のために自主的に与え始めたが42.5%
ペットサプリに監修をつける理由とメリット
- 有効性・安全性を客観的に評価できる
- 獣医学的知見に基づいた処方設計が可能
- 競合との差別化につなげられる
まずは、ペットサプリに獣医師や専門家の監修をつける理由とメリットを3つ紹介します。
有効性・安全性を客観的に評価できる
※引用元:ペットサプリメントの効果を実感している飼い主は約半数!4割がサプリメントに不信感があると回答(モアリッチ株式会社)
ペットサプリに監修をつける理由とメリットの一つ目は、商品の有効性・安全性を客観的に評価できる点です。
2024年に行われた犬・猫の飼い主に対するアンケートでは、ペットサプリに求めるものについての回答1位は効果の実感でした。
また同アンケートにおいて、飼い主の多くは自身が飲む薬よりもペットに与える薬の副作用を気にしていることが分かりました。
※引用元:ペットサプリメントの効果を実感している飼い主は約半数!4割がサプリメントに不信感があると回答(モアリッチ株式会社)
一般的にペットサプリメントの効能効果に対するエビデンスとしては、臨床試験の成績が重要視されています。
例えば以下のような試験です。
- 抽象的効果(QOL改善効果)
- 体表の計測値の変化(体表病変がある場合に行われる試験)
- 血液性状の変化(血液検査による評価)
- スコアリングの変化(獣医学で提唱されている臨床スコアを用いた評価)
- 生存日数の変化
など
※参照元:動物用のサプリメントを考える(松本浩毅 日本獣医生命科学大学)
ペットサプリの監修をつけた場合、抽象的効果や体表の計測値の変化などの臨床試験を獣医師や大学などの専門家とともに実施することができます。
ペットサプリメントの有効性・安全性を客観的に評価できる点は、ペットサプリに監修をつける大きな理由・メリットの1つと言えるでしょう。
獣医学的知見に基づいた処方設計が可能
ペットサプリに監修をつけた場合、獣医学的知見に基づいたサプリメントの処方設計を行うことが可能です。
ペットサプリメントは、ペットフード安全法において、安全性確保の義務と使用可能な成分規格が定められています。
※参照元:愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)(環境省自然環境局総務課動物愛護管理室)
サプリメントの原材料は、人間にとっては食経験のある物でもペットにとっては未経験の場合も多く、処方の設計には注意が必要です。
具体的には、以下がポイントとなります。
- 文献などで安全性が明らかになっていこと
- 毒性試験などが確実に行われ、安全性が保障されていること
また、アレルギーを生じる可能性のある成分や品質の安定性、含有量についても考慮しなければなりません。
そのため、ペットサプリメントの処方を検討する際には、獣医学的知見が必要であると言えます。
専門家の指導の元で処方設計を行い、健康リスクを低減できることはペットサプリに監修をつける大きな理由・メリットです。
競合との差別化につなげられる
ペットサプリに監修をつける理由とメリットの3つ目は、競合との差別化を図ることが出来る点です。
犬の飼い主に対するアンケートでは、犬との生活における1番の関心事は健康面であり、相談先としては動物病院が全体の約70%を占めました。
※参照元:【犬との暮らし調査】犬を飼う1,640人にアンケート 約70%の飼い主が、犬の飼育で困ったら動物病院へ(共立製薬株式会社)
ペットの飼い主にとって、獣医師は最も信頼できる相談先の1つと言えます。
ペットサプリ監修では、獣医師によるリアルなコメントや製品評価を得ることができ、マーケティングに使用することも可能です。
獣医師の監修が入ることで、商品の品質が担保されたものになり、競合他社との差別化につなげられます。
ペットサプリ監修の注意点
つづいて、ペットサプリに監修をつける際の注意点についてです。
- ペットサプリの監修をつける場合には、以下の2点に気をつけましょう。
- 広告表示の方法に気をつける
- 監修獣医師の専門分野を確認する
監修獣医師の専門分野を確認する
ペットサプリの監修では、監修している獣医師の専門分野の確認が大切です。
一口に獣医師と言っても、得意とする専門分野は人によって様々です。
たとえば、
- 内科
- 外科
- 整形外科
- 栄養学
- 行動学
など
獣医療は論文報告や学会発表などで、日々新しい知見が発表され、情報は常にアップデートしています。
監修する獣医師が栄養学やペットサプリメントに関する最新情報に詳しくない場合、商品の信頼性に影響する可能性もあるため、注意が必要です。
ペットサプリメントに監修をつける際には、事前に獣医師の専門分野について、依頼対応が可能かどうか確認しておきましょう。
広告表示の方法に気をつける
ペットサプリメントは、専門家の監修をつけた場合でも医薬品とは異なり、あくまでペットフードに分類されます。
そのため、明示あるいは暗示にかかわらず医薬品的な効果効能の表示、説明、広告をすることはできません。
薬機法で定められている具体的な表現は、以下の通りです。
- 主に、動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的と判断される表示がある場合
- 主に、動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的と判断される表示がある場合
- 主に、医薬部外品の効果効能と判断される表示がある場合
- 医薬品等であることを暗示させる表示がある場合
薬機法に違反した場合は、懲役や罰金といった刑事罰が定められています。
※参照元:動物用医薬品等の該当性及び表示(広告)について(東京都産業労働局)
過去には、実際にペットサプリメントの通販等を行う会社の社長が逮捕されているケースもあるため、宣伝・広告表示の方法にはくれぐれも注意しましょう。
犬猫用サプリメントの通販等を行う会社(以下「A社」といいます)が「ガンや疾病の予防に」などと広告してペット用のサプリメントを販売していたところ、大阪府警が同社の社長を薬機法第55条(未承認医薬品の販売・授与)違反と同法第68条(未承認医薬品等の広告の禁止)違反の容疑で逮捕しました。
ペットサプリ監修の流れ
- 問い合わせ
- 相談・打ち合わせ
- 依頼
- 納品
ペトプロは経験豊富な獣医師がクライアントのビジネス全体をサポートし、製品企画から研究、マーケティングまで一気通貫でご支援します。
ペットサプリ監修に関するお悩み・ご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
以上、ペットサプリに監修をつける理由とメリット・注意点や流れについて解説しました。
ペットサプリに監修をつける際には、監修の経験・実績のある専門家に依頼することで商品の信頼性や権威性を高めることがポイントです。