【獣医師に相談できる】ペットシャンプーのOEMの流れやポイントについて解説

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2023年におけるペット関連商品の国内市場は、前年比4.1%増の5,802億円の見込みです。

ペットビジネス市場は今後も拡大が予想されており、2025年の市場予測も6,036億円(2022年度比8.2%増)と好調。

現在、高付加価値化が進行し、販売額が拡大している商品の一つにペットシャンプーがあります。

この記事では、ペットシャンプーのOEMを行うための流れとポイント、注意点について解説します。

※参考元:ペット関連商品の国内市場を調査(株式会社富士経済)ペット産業の動向〜市場規模、競争環境、主要プレイヤー(PEDGE)

ペットシャンプーOEMの流れ

ペットシャンプーのOEMは以下の流れで行います。

  1. 問い合わせ・依頼
  2. 打ち合わせ・企画立案
  3. 処方検討
  4. 試作
  5. 容器・パッケージ選定
  6. 発注・製造開始
  7. 最終検査・商品出荷

他の商品をOEMする場合と基本的な流れは同じです。

そのためペットシャンプーのOEMを行う際には、獣医師や大学、専門機関と連携し、リスク低減や競合他社との差別化を図ることも有効な方法です。

ただし、ペットシャンプーは動物の被毛や皮膚に触れる商品であるため、使用する成分によっては乾燥や皮膚炎、アレルギー症状等を生じる可能性があります。

※参考元:繰り返し・オープン試験によるシャンプーの保湿効果の検討(野間厚志、JournalofAnimalClinicalMedcine,Vol.30,No.1,2021)界面活性剤の皮膚刺激と安全性評価(山下裕司、総合危機管理, No.2, 71-75, 2018)

問い合わせ・依頼

まずはじめにペットシャンプーのOEMメーカーへの問い合わせをします。

同じOEMを行う会社でもメーカーによって、取り扱っている原料や処方の種類、製造実績、製造設備は異なります。

そのため、問い合わせの際は商品イメージについて相談し、企画が実現可能かどうか予め確認しておくことが大切です。

打ち合わせ・企画立案

ペットシャンプーを企画する際には、以下について検討します。

  • 商品コンセプト
  • ターゲット層
  • 成分
  • 差別化要素
  • 容器
  • デザイン

など

ペットシャンプーは動物の被毛や皮膚に触れる商品です。

そのため、使用する成分が動物の健康に影響することがないよう、専門知識に基づいた商品作りを行います。

安全性の高い商品を設計出来るよう、メーカーと細かな打ち合わせを重ねましょう。

処方検討

企画を元にペットシャンプーの処方を設計する流れです。

ペットシャンプーに含まれる以下の成分の選定と配合の調整を行います。

  • 界面活性剤(洗浄成分)
  • コンディショニング成分
  • その他の成分(補修成分、粘度調整剤、pH調整剤、香料、防腐剤、着色剤)

処方や香料にこだわることで、競合他社との差別化やブランディングを図ることがポイントです。

試作

小ロットで製造されたサンプル品をチェックし、必要に応じて改良を繰り返します。

主なチェック内容は以下の通りです。

  • 香り
  • 使用感
  • テクスチャー
  • 泡立ち、泡切れ
  • 企画の要件を満たしているか

など

また、この際に品質を担保するための安定性試験皮膚や被毛に対する刺激をチェックする安全性試験を行うことで、商品製造時のリスク低減につながります。

※参照元:医薬品の有効期間を決める、安定性試験について解説(メディカルマーケティングマガジン)

容器・パッケージ選定

試作品のチェックと並行して行うのが、ペットシャンプーの容器やパッケージデザインの選定です。

商品の魅力を引き立て、消費者の目を惹くデザインを検討していきます。

また、容器が決定したら、中身であるペットシャンプーとの相性テスト(重鎮テスト)も必要です。

発注・製造開始

処方や容量、容器など全ての仕様が決まったら、メーカーと生産方法をすり合わせていきます。

商品の企画設計とズレはないか、納期や品質、コストを含めて、綿密な確認が大切です。最終見積もりに問題がなければ、商品の発注を行い、製造を開始します。

最終検査・商品出荷

最終検品が完了したら、ペットシャンプーの納品です。商品に破損が起こらないよう丁寧に輸送し、販売を開始します。

ペットシャンプーのOEMのポイント

ペットシャンプー製造時に知っておきたいポイントについて解説します。

動物に合わせた処方の検討

ペットシャンプーの処方設計では、「洗浄力を抑えること」「pHを調整すること」がポイントです。

なぜなら、犬猫と人間の皮膚を比べると以下のような違いがあるからです。

表皮の薄さ人間の赤ちゃんの肌は薄く、成人の約半分の薄さと言われています。しかし、犬猫の表皮は人間の赤ちゃんよりさらに薄く、約0.1mm以下しかありません。刺激や乾燥にも弱いため、人間のシャンプーと同じ洗浄力では、肌の潤いを奪ってしまう恐れがあります。
pHの違い人間の皮膚のpHは約4.8で弱酸性です。しかし、犬はpH約6.2〜7.8、猫はpH約6.4で、中性〜弱アルカリ性の皮膚をしています。そのため、ペットシャンプーのpHも犬・猫に合わせた調整が必要です。
※参考元:みんなのどうぶつ病気大百科(アニコム損害保険株式会社)皮膚(しま動物病院)

香りに関する知識

犬と猫は人間に比べて嗅覚が発達しています。

人間にとっては良い香りでも、ペットにとってはストレスや体調不良につながる場合もあります。

犬・猫が苦手な香りとしては、以下が挙げられます。

  • 化学物質…化粧品、香水、マニキュア、殺虫剤、整髪スプレー、柔軟剤など。
  • ハーブ…タイム、ラベンダー、セージ、レモンバーム、ローズマリー、ミント、ワサビなど。
  • 香辛料…胡椒、唐辛子、山椒など。
  • アルコール
  • タバコ

犬や猫は刺激のある強い香りが苦手です。

※参考元:突然ですが、「香害:こうがい」についてご存知ですか?(さくら病院)比較統合医療学会Vol.27,No.2に掲載されました「香料に起因する健康被害、香害が疑われた犬猫7例」(キャットクリニック)

そのため、ペットシャンプーの香料は優しく香るものを選んだり、無香料にするケースもあります。

ペットシャンプーOEMにおける注意点

最後は、ペットシャンプーのOEMにおける注意点の解説です。

安心・安全性の高いペットシャンプーを製造・販売するためには以下の4点に注意しましょう。

  1. 製造管理・品質管理体制
  2. 製造ロット数・製造期間
  3. 広告表示(薬機法)
  4. トラブル発生時の対応

製造時の注意点

ペットシャンプーの製造時は、動物の健康に影響を与えることがないよう、安全性の高い商品を安定的に供給することが大切です。

製造管理・品質管理体制

ペットシャンプーのpHは中性に近いため、製造管理や品質管理を怠ると細菌が発生する可能性があります。

※参考元:HACCP手法に関する用語説明pH(一般社団法人食品産業センター)

一般的に「製品の品質」は、消費者からの「商品イメージ」や「企業イメージ」につながる場合も多いため、以下のような検査を徹底し、商品の信頼獲得を図りましょう。

  • 処方前の原料検査
  • シャンプー液製造時の菌検査、pH、外観、粘度などのチェック
  • 充填前・後の資材(外観)検査
  • 出荷前検査

製造ロット数・製造期間

ペットシャンプーの製造時は、以下について事前に確認しておきます。

  • 発注可能な最小ロット数
  • 企画から納品までに掛かる製造期間について

ロット数とは一回に生産する製品数量のまとまりのことです。

一般的には製造時のロット数が多いほど、初期費用と在庫を抱えるリスクが増加します。

また、製造日数を把握できていない場合には、事業計画に影響を及ぼす可能性もあるため注意が必要です。

ロット数と製造期間について確認することで、製造時のリスクを減らし、安定した商品の製造に繋がります。

販売時の注意点

販売時の注意点は「広告表示」と「トラブル発生時の対応」です。

特に広告表示に関わる薬機法に違反した場合には、懲役や罰金といった刑事罰が定められています。

広告表示(薬機法)

人間用シャンプーは化粧品に分類されますが、ペットシャンプーの分類は以下の二つです。

  • 雑貨…一般的なペット用シャンプー
  • 医薬部外品…ノミ取りなど薬効成分を配合したシャンプー

一般的なペットシャンプーを製造した場合、広告・宣伝に効果効能を標榜することはできません。

以下の表現は薬機法で規制されているため、注意が必要です。

  1. 主に、動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的と判断される表示がある場合
  2. 主に、動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的と判断される表示がある場合
  3. 主に、医薬部外品の効果効能と判断される表示がある場合
  4. 医薬品等であることを暗示させる表示がある場合

※参考元:動物用医薬品等の該当性及び表示(広告)について(東京都産業労働局)犬用シャンプーは全ての成分表示の義務がない!表示や種類、正しいシャンプーの選び方(INUMESHI BLOG)

トラブル発生時の対応

厳しい検品作業をクリアした商品でも、販売後に問題が生じる場合があります。

例えば、温度変化による液体の分離などテクスチャーの変化、異臭、容器の傷、異物混入、パッケージの誤表記などです。

トラブル発生時には自主回収や返品、交換などの対応を行うことになりますが、OEMメーカーによってサポート体制にも差があります。

商品トラブルはブランドの信用力にも関わるため、トラブルの際の費用の負担やサポート体制については、事前に取り決めをしておきましょう。

まとめ

ペットシャンプーOEMの流れとポイント、注意点について解説しました。

ペットシャンプーのOEMを行う際には、製造経験や実績があり、動物の皮膚・被毛、法律についても知識のあるOEMメーカーを選ぶ事が大切です。

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Toshiyuki Uwai
ペトプロ代表

獣医師免許保有。
企業動物病院の現場マネジャーを3病院で経験。
現在は、動物に関係する教育・人材・webマーケ事業などを展開中。